ABSTRACT 1036(P4-3)
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Molt-4細胞の放射線アポトーシスのミトコンドリアと細胞内カルシウム制御:近藤隆1、藤原美定21富山医薬大・医・放基、2神戸大・医・放基)

Mitochondrial and [Ca2+]i regulations of radiation-induced apoptosis in Molt-4 cells: Takasi KONDO1, Yoshisada FUJIWARA2, (1Dept. of Radiol. Sci., Toyma Med. Pharmaceut.Univ., 2Dept. of Radiat. Biophys. & Genet., Kobe Univ. Sch. Med.)

【目的】比較的感受性の高いMolt-4細胞のX線照射後のBcl-2とBaxの発現、[Ca2+]iとミトコンドリア膜電位(ΔΨm)の変化、caspase-3活性化及びDNA断片化を検討し、早期アポトーシス機構の探索を目的とした。
【方法】Molt-4細胞におけるX線アポトーシス、p53蓄積、Bcl-2とBax発現、DiOC6(3)によるΔΨm、caspase-3酵素活性、[Ca2+]iの測定、DNA断片化を検討。
【結果と考察】Molt-4細胞は5Gy照射後6 hで60%の早期アポトーシスを示し、p53依存性のBax/Bcl-2比が増加した。これを反映して、5 Gyアポトーシスの経時的増加に先だって、Bax poreによる低ΔΨm細胞が増加し、caspase-3が活性化された。また、[Ca2+]iが照射後一過性と持続性に増加した。Caspase-3阻害剤と[Ca2+]iキレータBAPTA-AMは誘発アポトーシスとDNA断片化を阻害した。したがって、ミトコンドリア制御と[Ca2+]i制御の少なくとも2経路がMolt-4細胞の放射線アポトーシスを支配すると考えられた。