ABSTRACT 1038(P4-3)
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マウス胸腺リンパ腫由来細胞より分離した放射線誘発アポトーシス抵抗性細胞の性質(2):河合秀彦1, 林 奉権2, 瀬山敏雄2, 大山ハルミ3, 達家雅明1, 鈴木文男11広島大・原医研・放射線応答, 2放影研・放射線生物, 3放医研・障害基盤)

Characterization of Radioresistant Mutants Isolated from a Radiosensitive Mouse Thymic Lymphoma Cell Line (II):Hidehiko KAWAI1, Tomonori HAYASHI2, Toshio SEYAMA2, Harumi OHYAMA3, Masaaki TATSUKA1, Fumio SUZUKI11Dept. Regu. Radiobiol. RIRBM, Hiroshima Univ., 2Dept. Radiobiol., Radiat. Effects Res. Foundation, 3Div. Radiobiol. & Biodosimet., NIRS)

[目的]放射線に高感受性のマウス胸腺リンパ腫細胞から分離したX線誘発アポトーシス抵抗性細胞の性質について、ミトコンドリア機能を中心に解析した。
[結果]B10 マウス胸腺リンパ腫由来 3SB 細胞から突然変異剤を処理することにより、X線誘発アポトーシスに対して抵抗性を示す 5 種のクローンを分離した。興味深いことに得られた変異細胞はX線に対しては強い抵抗性を示したが、紫外線照射によるアポトーシスには比較的高い感受性を示した。X線及び紫外線照射による細胞死をエリスロシンB染色によって求められる変化と活性酸素量及びミトコンドリア膜電位の変化を比較検討した。その結果、染色によって求めた細胞致死率と活性酸素量の増加、およびミトコンドリア膜電位の低下が全ての細胞間で相関した。このことから、3SB 細胞のX線誘発アポトーシスにはミトコンドリアの機能失活が関与していることがわかった。現在、これらの細胞についてシトクロムCの放出動態について解析中である。なお本研究は、放医研・第1研究グループの浜ー稲葉浩子博士、放医研・生物影響の武藤正弘博士および金沢大・薬の二階堂修博士と共同で行われたものである。