ポスターセッション

一覧　トップ

Hyperthermia時におけるBaxの核移動と細胞周期の関係：津田真寿美,西田満,井上勝一（北大大学院地球環境科学研究科,環境情報医学講座）

Association of the nuclear translocation of Bax with cell cycle during hyperthermia：Masumi TSUDA, Michiru NISHITA and Shoichi INOUE (Dept. of Environ. Med. and Informatics,Graduate Sch. of Environ. Earth Sci. Hokkaido Univ.)

Baxの過剰発現にも関わらず、HyperthermiaによりapoptosisよりもG₂M期への細胞蓄積が起きることを我々は見出した。そこで、apoptosis以外にBaxの役割があるかどうか検討した。ヒト肺癌細胞10種類を使用した。Bax、Hsp70の局在はimmunofluorescenceで、apoptosis及びcell cycleの解析はflow cytometryで、Baxと他の蛋白とのinteractionはimmunoprecipitationで検討した。各細胞のBaxは、核のみ、核または細胞質の一方、核と細胞質の両方、細胞質のみに存在した。３時間のhyperthermia中に、Baxは全て核内に移行し、Bax蛋白量も増加したが、BaxとBcl-2とのinteractionは減少した。また、hyperthermia後、apoptosisを示す細胞は少なく、代わりにG2M期の著明な蓄積が確認され、その後、これらの細胞は、再び正常のcell cycleに戻った。一方、hyperthermia中にBaxとHsp70の各蛋白は別々に核へ移動し、これらの蛋白はinteractしていないことが証明された。Nuclear pore complexなどとのinteraction、Baxの mutationの有無については現在検討中である。