ABSTRACT 1044(P4-3)
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HL-60細胞における室温誘発アポトーシスの分子機構:大沢 裕、志村まり、湯尾 明、岩田 誠、高久史麿、石坂幸人東京女子医大、神内、国立医療セ・研、自治医大)

Room temperature induced apoptosis of HL-60: Yutaka OSAWA 1, Mari SHIMURA2, Akira YUO2, Makoto IWATA1, Fumimaro TAKAKU3 Yukihito ISHIZAKA2,(1Dept. Neurol. Tokyo Women's Med. Col., 1Dept., 2Int. Med. Ctr. Jpn. Res. Inst., Jichi Med. Sch.)

【目的】我々は、白血病細胞株HL-60を室温に移すことにより急激にアポトーシスが生じること、また同様の現象がJurkat細胞株でも認められることを見出し報告した(FEBS Lett. 417, 379, 1997; Cancer Lett., in press)。今回、この室温誘発アポトーシスの分子機構を解明する目的で、関連するプロテアーゼを解析した。【方法】 Caspase-1及び-3に対する阻害剤(YVAD-CHO及びDEVD-CHO)による阻害効果を解析し、caspase-1、-3及び-4の関与をウエスタンブロット法で解析した。また、ビオチン化テトラペプチド(YVAD-CHO)を用いてHL-60の細胞抽出液中の蛋白質を標識し、電気泳動後、PVDFフィルターにトランスファーした後、アビジン-アルカリホスファターゼを用いて発色、YVAD結合蛋白質を明らかにした。【結果及び結論】 アポトーシスは、YVAD-CHOの添加により抑制されたが、DEVD-CHOでは阻害されなかった。ウエスタンブロットでは、caspase-3の活性化に伴う産物の分解が検出されたが、caspase-1の分解は検出されなかった。DEVD-CHO存在下に調整した細胞抽出液中においてビオチン化YVAD-CHOに結合する分子量、約15及び20 kDaの蛋白質が検出され、 新規caspaseの関与が示唆された。