ABSTRACT 1050(P4-3)
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セラミド誘導アポトーシスにおけるレドックス制御:岩井一也、岡崎俊朗、田嶌政郎、内山卓(京大、医、血液病態学)

Redox regulation in ceramide-induced apoptosis: Kazuya IWAI, Toshiro OKAZAKI, Masaro TASHIMA, Takashi, UCHIYAMA(Dep. of Hemat. & Oncol. Kyoto Univ.)

セラミドによるアポトーシス誘導時に細胞内ROIの産生が増加することが報告されている。
[実験・結果]HL-60細胞をセラミドで処理すると、濃度依存性、時間依存性にCatalase 活性、SOD活性の低下を認めたが、GPX活性は低下しなかった。また細胞内GSH量の変化は認められなかった。ノーザンブロットでは、セラミドによりCatalaseのmRNA発現の低下が観察された。培地に精製したCatalase,SODを添加することによりセラミドによるアポトーシスが抑制され、 Catalase、SODinhibitorであるATZ、DDCを添加するとセラミドによるアポトーシスが増強された。またこれらのアポトーシスにおける細胞の脂質酸化を、蛍光probeであるcis-parinaric acidを用いて検討したところ、セラミドにより脂質酸化は亢進しており、Catalase、SODによりセラミドの脂質酸化作用は抑制された。
[考察]セラミド誘導アポトーシスにおけるレドックス制御機構として、これまで報告されていたROI産生の直接の増加のみならず、radical scavengerの低下も重要であると考えられた。