ABSTRACT 1052(P4-3)
Carbamate系薬物での活性酸素依存、非依存性アポトーシス誘導:西田升三、木本さおり、中西欣也*、戸村隆訓(近畿大・医 ・生化氈A脳外*)
Apoptosis induced by diethyl-dithiocarbamate (DDC) shows different pathways of dependence and independence on reactive oxygen species: Shozo NISHIDA, Saori KIMOTO, Kinya NAKANISHI*, Takanori TOMURA (Dept of Biochem & Oncol, Neurosugery*, Kinki Univ Sch of Med)
[目的] Carbamate系薬物は抗アポトーシス作用を示す反面、アポトーシスを誘導することが報告されおり、その作用機序も明らかではない。今回、これらの点について検討を行った。[方法] 使用細胞には前骨髄性白血病細胞(HL-60)を用い、 カルバメート系薬物としてdiethyldithiocarbamate (DDC)を使用した。細胞内ラジカルの測定はDCFH-DAを用いたFACScanにて行った アポトーシスの確認は、光顕的アポトーシス小体の形成およびアガロースゲル電気泳動によるDNAの断片化にて確認した。[結果] Cuキレート作用を持つDDCは、高用量では細胞内Cu,Zn-SODを阻害し、活性の低下に伴い、細胞内ラジカル量の増加を示し、アポトーシスが認められた。またこの時、H2O2、OH・ONOO-は関与しない可能性が示唆された。低用量では同様に著しいアポトーシスを認めた。しかしラジカル上昇は認められず、低酸素培養でも同様にアポトーシスを認めた。以上の結果から、DDCは高用量では酸素ラジカル依存性、低用量では非依存性のアポトーシスを誘導させることが認められた。