ABSTRACT 1062(P4-3)
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PSKによる癌細胞のFas-mediated apoptosisのupregulation:山本光太郎,安部俊弘,硲 彰一,吉野茂文,飯塚徳男,森 尚秀,吉村 清,岡 正朗(山口大・2外)

Upregulation of Fas-mediated apoptosis of cancer cell line by PSK : Koutaro YAMAMOTO, Toshihiro ABE,Shoichi HAZAMA, Shigefumi YOSHINO, Norio IIZUKA, Naohide MORI, Kiyoshi YOSHIMURA, Masaaki OKA (Dept. of Surg.II, Yamaguchi Univ.)

【目的】Fasを介した癌細胞のアポトーシス誘導におけるPSKの影響を実験的に検討した。
【方法】Fas 陽性のヒト食道癌細胞株YES-6における、1)Annexin Vを用いた、抗Fas 抗体(7C11)およびPSK2、20、200μg/ml 添加によるアポトーシス細胞の変化、2)PSK添加による細胞内Bcl-2癌遺伝子蛋白陽性細胞の変化をflow cytometryにて検討した。
【結果】培養液のみの対照群と7C11添加群で経時的にアポトーシス細胞の割合を測定したところ差を認めず、抗Fas抗体単独ではアポトーシスが誘導されないことが示された。PSKと抗Fas抗体併用では、PSK20μg/ml 同時添加した3-5時間後の早期と、PSK20、200μg/ml同時添加した24時間後にアポトーシスが誘導された。2)YES-6のBcl-2癌遺伝子産物陽性細胞の割合は99.0%で、PSK添加により早期には変化がないものの、24時間後にはPSK2μg/mlで77.7%、PSK20で69.3%、PSK200で62.2%と減少した。
【考察】細胞株YES-6はFas陽性であるにも拘わらず、Fasを介したアポトーシスに抵抗性を示した。しかし、PSKを併用することでアポトーシスが強く誘導された。24時間後ではFasを介したシグナル伝達の経路を抑制するBcl-2癌遺伝子蛋白の関与が示唆されたが、早期のアポトーシス誘導では、Bcl-2蛋白の関与は否定的であった。
【結語】PSKはFasを介した癌細胞のアポトーシスをupregulateする可能性が示唆された。