ABSTRACT 1064(P4-3)
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シコニン誘導体β-HIVSによる白血病細胞のアポトーシス誘導機構の解析:橋本幸子、徐曼、増田豊、中条茂男、中谷一泰(昭和大・薬・生物化)

Analysis of the mechanism of apoptosis induced in leukemia cells by β-HIVS. :Sachiko HASHIMOTO, Man XU,Yutaka MASUDA, Shigeo NAKAJO, Kazuyasu NAKAYA (Sch. Pharmaceut. Sci., Showa Univ.)

【目的】シコニン誘導体β-hydroxyisovarelylshikonin(β-HIVS)は、固形癌由来癌細胞を含む広範な種類の癌細胞に対し細胞増殖阻害作用を示し、それらの一部の細胞に対してはアポトーシス誘導作用のあることを報告した。本研究では、β-HIVSのアポトーシス誘導機構をヒト前骨髄球性白血病細胞HL-60を用いて調べた。 【方法】アポトーシス誘導能はDNAのアガロースゲル電気泳動、及びDAPIによる蛍光定量により調べた。【結果】HL-60細胞は10-6Mのβ-HIVS処理により、著しい形態変化を示し、6時間後には約80%のDNAが断片化された。また、gelsolinの切断も観察された。MAP キナーゼの JNK, p38 及び、ERKの活性は1時間以内に著しく増加した。Caspase-3 様活性もβ-HIVSにより増加したが、caspase阻害剤であるZ-AspによりDNAの」断片化は阻害されたが、JNKの活性化が阻害されなかった。また、本実験の条件化ではtopoisomeraseに対する影響も認められず、b-HIVSによるアポトーシス誘導機構はこれまでのアポトーシス誘導剤とは異なる可能性が示唆された。