ポスターセッション

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hCGによる培養卵巣表層上皮細胞のapoptosis抑制メカニズムの解析：黒田英樹、小西郁生、万代昌紀、南部香成子、由良泰一郎、鶴田優子、Hamid A. Atia、草刈孝史、藤井信吾（京大・医・産婦）

Mechanisms of apoptosis inhibition by hCG in cultured ovarian surface epithelium: Hideki KURODA, Ikuo KONISHI, Masaki MANDAI, Kanako NANBU, Yasuichiro YURA, Yuko TSURUTA, Atia A. Hamid, Takashi KUSAKARI, Shingo FUJII (Dept. Gy/Ob., Kyoto Univ.)

[目的] hCGが卵巣癌発生母地である卵巣表層上皮細胞(OSE) のapoptosisを抑制することを前回、本学会に於いて報告した。その細胞内メカニズムを培養OSEを用いて解析した。
[方法] 患者の同意のもと手術時に採取培養したOSEにhCGを添加しbcl2, bax, IGF1の遺伝子発現をRT-PCR法およびNorthern blot法にて検討した。さらにIGF1が血清除去により誘導されるapoptosisに与える影響、およびIGF1 receptorの中和抗体がhCGによるapoptosis抑制効果に与えるの影響を抗ヒストン抗体を用いたELISA法にて検討した。
[結果] hCG添加によりbax, bcl2の発現は変化しなかったがIGF1の発現は増加した。IGF1添加は血清除去により誘導される培養OSEのapoptosis を40％抑制した。hCGによるapoptosis 抑制効果はIGF1 receptorに対する中和抗体の添加により消失した。
[結論] hCGはIGF1を介したメカニズムにより培養OSEにおけるapoptosisに対して抑制的に作用する。不妊治療中あるいは閉経期の高ゴナドトロピン状態ではOSEのapoptosisが抑制され、卵巣癌の発生しやすい環境にあることが示唆された。