ABSTRACT 1106(P4-5)
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家族性乳癌原因遺伝子BRCA2関連タンパクの単離の試み:斉藤広子、片桐豊雅2、3、中村祐輔2、3、三木義男1、2(癌研・遺伝子診断、ゲノム、東大医科研・ヒトゲノムセ)

Isolation of novel proteins which interact with the breast cancer susceptibility gene BRCA2 : Hiroko SAITO1, Toyomasa KATAGIRI2, 3, Yusuke NAKAMURA2, 3, Yoshio MIKI1, 2 (1Dept .of Mol. Diagnosis, 2Dept. of Hum. Genome Anal. Cancer Inst., 3Dept. of Mol. Med., Inst. Med. Sci., Univ. Tokyo)

日本人家族性乳癌家系におけるBRCA1、BRCA2遺伝子変異の頻度は約20%程度で欧米の両遺伝子変異の頻度約80%に比較するとかなり低頻度であることから、本邦に特徴的な第3の主要原因遺伝子の存在が示唆されている。この原因遺伝子がBRCA1、BRCA2 関連遺伝子である可能性を考え、BRCA2遺伝子産物に結合するタンパクの単離を試みた。BRCA2タンパクのN末、およびC末付近にヒト、マウス間で90%以上の相同性を示す領域が存在する。その領域を含むヌクレオチド 229-699(R1)と9583-10482(R8)の2領域についてGAL4-DNA結合領域との融合タンパク発現ベクターを作製し、two hybrid法によりヒト精巣cDNAライブラリーをスクリーニングした結果、領域R1より3種類、R8よりRad51を含む8種類のクローンを単離した。これらの中にはLIM domainを有するもの、乳腺での発現がみられるものが存在し、現在、これらを中心に、in vitro および in vivoのbinding assayを行うとともに家族性乳癌の原因遺伝子である可能性を検討している。