ABSTRACT 1122(P4-5)
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転移抑制遺伝子kai1の発現は、PKCの活性化により直接誘導される;秋田英俊1) 2)・橋本良博1) 2)・中西真2)・池田恭治2)・郡健二郎1) (名市大・泌1)・国立長寿研・老年病2)

Induction of kai1 Metastasis Suppressor Gene Expression by PKC activation;Akita,H.1) 2), Hashimoto,Y1) 2), Nakanishi, M.2), Ikeda, K.2), and Kohri,K.1)(Dept. of Urology, Nagoya City University1) Dept. of Geriatric Research, National Institute for Longevity Sciences2)

[目的]転移抑制遺伝子kai1は、leukosurface proteinであるCD82と同一である。白血球系細胞(U937)をPMA刺激するとマクロファージに分化するが、この刺激によりkai1/CD82の発現誘導が認められることを以前報告した。今回、我々はkai1 の発現誘導が分化に伴うものなのか、PMAの直接作用によるものかを検討した。[方法]正常および転移性癌細胞をPMA刺激しkai1 mRNAの発現を解析した。[結果と考察]分化とは無関係の正常細胞及び転移性前立腺癌細胞株においても、PMA刺激によりkai1の発現誘導を認め、kai1発現誘導はPMAの直接作用によると考えられた。また、他のPKC activatorでも同様の発現誘導作用を認め、PKC inhibitorではkai1の発現は強く抑制された。この結果より、PKCの活性化が直接kai1の発現誘導を引き起こすと考えられる。また、転移癌に対しても効果的なkai1の発現誘導が可能なことから、薬物によるkai1発現誘導に伴う癌転移抑制の可能性が示唆された。