ABSTRACT 1124(P4-5)
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Gp125 H 鎖 (CD98)の分子構造解析:宍戸貴雄、益子高、榎本武美、橋本嘉幸 (東北大・薬・遺伝子薬学、佐々木研)

Molecular Characterization of Human gp125 Heavy Chain (CD98)-Associated Molecules:Takao SHISHIDO1, Takashi MASUKO1, Takemi ENOMOTO1 and Yoshiyuki HASHIMOTO2 (1Dept. Mol. Cell Biol.,Pharm. Inst., Tohoku Univ., 2Sasaki Inst.)

(目的)Gp125 は分子量 85 kDa の H 鎖 (CD98) と 40 kDa の L 鎖がジスルフィド結合したII型膜タンパクであり、増殖期の正常細胞や癌細胞で広範に発現している。CD98はその遺伝子構造が明らかにされ、アミノ酸輸送やインテグリンの活性制御などに関与することが報告されている。CD98が多量体を形成し、既知のアミノ酸輸送タンパクと同様の細孔を形成する可能性も考えられる。今回 、新たに作成した抗マウスCD98モノクローナル抗体(mAb)と、マウスCD98遺伝子導入ヒト細胞株を用いたCD98タンパクの分子構造解析を行った。
(方法)マウス膀胱癌細胞株を免疫原として得られたラットmAb、MB872の認識抗原とマウスCD98タンパクの分子の異同を明らかにするため、免疫沈降法を行った。更に、ヒトhepatoblastoma、HepG2にマウスCD98cDNAをエレクトロポレーション法により導入し、トランスフェクタントを樹立後、マウスCD98タンパクの発現をフローサイトメトリーにより確認、また、抗ヒト及びマウスCD98mAbを組み合わせたサンドイッチELISA系によるCD98トポロジーの解析を試みた。
(結果と考察)MB872mAbはマウスCD98遺伝子導入HepG2、及び検索した全てのマウス由来癌細胞と反応し、マウスCD98タンパクを認識することが判明した。免疫沈降法による解析で、CD98は L 鎖に結合しないものもあることを確認した。マウスCD98遺伝子導入HepG2細胞の可溶化物を用いサンドイッチELISA系にて、ヒト及びマウスCD98タンパクの検出を試みた結果、内因性ヒトCD98タンパクと外因性マウスCD98タンパクからなるヘテロ多量体は検出されなかった。