ABSTRACT 1125(P4-5)
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新規 kinesin 関連遺伝子HG0757の構造および機能解析:永井真理子1,3、 一宮 慎吾1、尾崎 俊文1、関 直彦2、野村 信夫2、崎山 樹1 、久保 長生3 、高倉 公朋3、中川原 章11千葉がんセ・研・生化、2かずさDNA研、3東京女子医大・脳神経セ・脳外)

Characterization of a novel kinesin related gene HG0757 : Mariko NAGAI1, Shingo ICHIMIYA1, Toshinori OZAKI1, Naohiko SEKI2, Nobuo NOMURA2, Shigeru SAKIYAMA1, Osami KUBO3, Kintomo TAKAKURA3,Akira NAKAGAWARA1(1Div.of Biochem.,Chiba Cancer Center Res.Inst.,2Kazusa DNA Res.Inst.,3Dept.of Neurosurg.,Tokyo Women's Medical College)

<目的>ヒトKG-1細胞由来のcDNAライブラリーよりクローン化されたHG0757遺伝子は、神経芽腫で構造異常が高頻度に認められるヒト染色体上1p36領域に位置し、その産物はkinesin superfamily (KIFs)に類似した構造を持つことが判明した。神経芽腫におけるHG0757遺伝子の変異の有無の検討と、その産物の分子生物学的性質を明らかにすべく本研究を行った。
<方法>神経芽腫8例、神経芽腫由来の細胞株16例に対して、20プライマーセットを用いたPCR-SSCP法で遺伝子変異の有無を検討した。
<結果と考察>この遺伝子は神経系組織で発現が広く認められ、PCR-SSCP解析で神経芽腫由来の細胞株(NB1)において、アミノ酸置換を伴う点突然変異(Asn→Asp)が検出された。興味深いことに、この産物は構造がKIFsに類似している一方で、motor domainを欠くことから極めてユニークな生物学的機能を持つ可能性が想定される為、今後はこの遺伝子産物の機能解析に重点をおく方針である。