ポスターセッション

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肝臓癌・消化器癌におけるCXC chemokine hIRH/SDF-1a mRNAおよびreceptor CXCR4 mRNA発現量の解析：渋田健二¹, 定永倫明¹,田中真二¹,山懸基維¹,原口　勝¹,上尾裕昭^２,森　正樹¹ （¹ 生医研・外,^２大分県立病・外）

Expression of CXC chemokine hIRH/SDF-1a mRNA and CXCR4 mRNA in hepatoma and gastrointestinal cancers ： Kenji SHIBUTA¹, Noriaki SADANAGA¹, Shinji TANAKA¹, Motoyuki YAMAGATA¹, Masaru HARAGUCHI¹, Hiroaki UEO^２, Masaki MORI¹ (¹Dept.of Surg., Med. Inst. of Bioregulation, Kyushu Univ., ^２Dept.of Surg., Oita Prefectural Hosp.)

【目的】肝臓癌・消化器癌におけるChemokine hIRH/SDF-1α およびそのreceptor CXCR4 のmRNA発現量を半定量的に評価した。【方法と結果】肝臓癌10例、大腸癌14例、食道癌10例、胃癌26例を対象に、癌部(T)と非癌部(N)から抽出したRNAをRT-PCR法で増幅し、hIRH/SDF-1α およびCXCR4の癌部と非癌部での発現量比(T/N)を算出したところ、(1) hIRH/SDF-1αのT/N比 (平均アSE)は、肝臓癌：0.40±0.07、大腸癌：0.38±0.09、 食道癌：0.43±0.07、胃癌：0.70±0.09で、癌部での発現が著しく低下していた。(2) CXCR4のT/N比 (平均アSE)は肝臓癌：0.65±0.11で癌部での発現が低下していたが、ligandであるhIRH/SDF-1α発現量との間に相関関係は認められなかった。【結語】(1) hIRH/SDF-1α mRNAの発現は肝臓癌及び消化器癌で著しく低下しており、CXCR4 mRNAの発現は肝臓癌でのみ低下していた。(2) これらの発現量の程度は癌の悪性度を反映するものではなかったが、肝臓癌および消化器癌の発癌過程において早期段階から何らかの重要な関与をしていることが示唆された。