ABSTRACT 1138(P4-6)
接着斑キナーゼpp125FAK(FAK)によるアポトーシスの抑制:浜崎 健、矢崎義雄、三村俊英(東大 ・内)
The suppression of apotosis by Focal Adhesion Kinase pp125FAK(FAK):Ken HAMASAKI,Yoshio YAZAKI and Toshihide MIMURA(Department of Internal Medicine,University of Tokyo)
昨年の本学会において我々は、接着斑キナーゼpp125FAK(FAK)欠損(FAK-/-)線維芽細胞が、コントロール細胞(FAK+/-)より接着阻害及び血清除去に対するアポトーシスが有意に亢進していること、及びこのアポトーシスの亢進がFAK-/-細胞にFAK cDNAをtransfectすることにより有意に抑制されることを示し、FAKが新たなアポトーシス抑制因子である可能性について報告した。
(目的及び方法)今回我々は、この現象をより詳細に検討するため、FAKのantisenseを用いてFAK+/-細胞のFAKの発現を抑制し、アポトーシスにおけるFAKの役割を検討した。また、FAKによるアポトーシスの抑制機構を、ICE inhibitor及びCaspase-3 inhibitorを用いて検討した。(結果)antisenseによりFAKの発現を抑制すると、FAK+/-細胞は複数の刺激に対するアポトーシス感受性が亢進した。ICE inhibitor YVADは両細胞のアポトーシスに影響を与えず、Caspase-3 inhibitorDEVDはFAK-/-細胞のアポトーシスを有意に抑制した。
(結語)FAKがアポトーシス抑制因子であることを示す新たな証拠を得た。そのメカニズムにはICEではなく、Caspase-3が関与している可能性が示唆された。