ABSTRACT 1147(P4-6)
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EATトランスジェニックマウスにおける膵ラ氏島の過形成および腺腫:松下健一, 鈴木 淳, 安藤 孝, 下田耕二, 大喜多肇, 福間真理子, 山田健人, 佐野 誠, 浦野文彦, 梅澤明弘, 秦 順一(慶大医, 病理, 実験動物センター)

Islet cell hyperplasia and adenoma in transgenic mice overexpressing EAT: Kenichi MATSUSHITA, Atsushi SUZUKI, Takashi ANDO, Koji SHIMODA, Hajime OKITA, Mariko FUKUMA, Taketo YAMADA, Makoto SANO, Humihiko URANO, Akihiro UMEZAWA, Jun-ichi HATA (Dept.of Pathology, Keio Univ.)

[目的]われわれは多分化能ヒト胎児性癌細胞の分化初期に誘導される遺伝子EATの単離に成功した。EATはbcl-2ファミリーに属する遺伝子であった。今回は個体でのEAT遺伝子の機能を明らかにする目的でトランスジェニックマウスを作成し,その解析を行った.[方法および結果]EF1alphaプロモーターによって発現するEATトランスジェニックマウスの3ラインのうち2ラインに膵臓ランゲルハンス氏島の過形成が認められた。また、そのうち1匹にラ氏島腺腫が認められた。免疫組織学的には,インスリンを産生するbeta細胞の過形成および腺腫であった。さらに、過形成を呈するトランスジェニックマウスでは糖負荷後のインスリン分泌能も亢進していた。[結論]正常のラ氏島のbeta細胞は一定の割合でアポトーシスに陥ることが知られている。EATがこのアポトーシスを抑制した結果、ラ氏島の過形成を生じたと考えられる。さらに何らかのセカンドヒットが加わって腺腫を生じたと考えられる。