ABSTRACT 1149(P4-6)
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ヒト悪性黒色腫リンパ節転移巣におけるアポトーシスの誘導とFas及びFasリガンドの発現:宿輪哲生1、小路武彦21長崎大・医・皮、2長崎大・医・第三解剖)

The involvement of Fas and Fas-L in the induction of apoptosis in metastatic malignant melanoma of lymph nodes:Tetsuo SHUKUWA1, Takehiko KOJI2(1Dept. of Dermatology, Nagasaki Univ., 23rd Dept. of Anatomy, Nagasaki Univ. )

(目的)前回、皮膚悪性黒色腫の原発巣において黒色腫細胞及び浸潤リンパ球にFas/Fasリガンド(FasL)を介したアポトーシスが生じることを報告した。今回、悪性黒色腫のリンパ節転移巣におけるアポトーシスの出現とFas及びFasLの発現について原発巣と比較検討した。
(対象と方法)38-81歳の患者に生じた悪性黒色腫14例の原発巣切除標本及びリンパ節廓清標本8検体よりホルマリン固定パラフィン切片を作製し、TUNEL法、抗Fas(CD95)抗体及び抗FasL抗体を用いて免疫組織学的検討を行った。
(結果)原発巣においてTUNELでは黒色腫細胞及びリンパ球に陽性細胞を認め、予後不良例では黒色腫細胞の陽性細胞が減少する傾向を認めた。抗Fas抗体及び抗FasL抗体による染色では、腫瘍細胞、リンパ球ともに陽性細胞がみられた。転移巣では黒色腫細胞ではTUNEL、Fas及びFasLともに陽性所見がみられたが、予後不良例のリンパ球でTUNEL、Fas、FasLの陽性細胞は少数であった。
(考察)悪性黒色腫において原発巣では黒色腫細胞、転移巣においては腫瘍周囲のリンパ球のアポトーシスが予後と相関し、転移巣のリンパ球におけるFas及びFasLの発現低下が予後を決定する重要な因子の一つと考えられた。