ABSTRACT 1154(P4-6)
胃癌組織におけるApoptosisとfacilitative glucose transporterの発現の意義 :斎藤 綾、野口芳一、土井千春、岡本隆英、吉川貴己、福澤邦康、円谷 彰、天野富薫、近藤治郎(横浜市立大学第一外科)
Apoptosis and Expression of facilitative glucose transporters in gastric carcinoma:Aya SAITOH, Yoshikazu NOGUCHI, Chiharu DOI, Takahide Okamoto, Takaki YOSHIKAWA, Kuniyasu FUKUZAWA, Akira TSUBURAYA, Tomishige AMANO, Jiro KONDOH(1st Dept. of Surg. Yokohama City Univ.)
細胞死の一形態であるApoptosisの癌組織における出現に糖の細胞内取り込み口であるfacilitative glucose transporter(Glut)の発現が関連するか否かを明らかにすることを目的とした。対象及び方法:68例の切除胃癌を対象にApoptosis出現率(Apop Tag)とGlutの発現を免疫染色法にて検討した。
結果:Apoptosisの出現頻度は平均0.56±0.84%(0~5.81%)で、低分化型腺癌では高分化型腺癌に比べ有意に高頻度であった(0.71±1.05%,0.47±0.49%,p=0.03)。一方basic glucose transporterであるGlut1の発現は18.5%に認め、insulin responsive Glut4は40.8%に認められた。Glut4の発現が陽性の症例は陰性の症例に比し有意にApoptosisの出現頻度が高かった(陽性例:0.82±1.18%、陰性例:0.39±0.44%、p=0.02)。
結語: 胃癌組織において癌化に伴い獲得されるGlut1の発現はApoptosisの出現に関与しないことが示唆された。