ABSTRACT 1216(P4-10)
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ヒト1番染色体上における細胞老化誘導遺伝子のマッピング
八幡俊男1、加美野宏樹1、井上敏昭1、浅川修一2、清水信義2、押村光雄11鳥取大・生命・細胞工学、2慶応大・医・分子生物)

Mapping of a cellular senescence gene on human chromosome 1: Toshio Yawata1, Hiroki Kamino1, Toshiaki Nishida1, Shuiti Asakawa2, Nobuyoshi Shimizu2, Mitsuo Oshimura1 (1Dept. of Mol. & Cell Genet., Sch. of Life Sci., Fac. of Med., Tottori Univ. and CREST・JST, 2Dept. Mol. Biol., Keio Univ. Sch. Med.)

微小核細胞融合法によりヒト線維芽細胞由来の1番染色体を数種類の不死化細胞株に移入することで細胞老化が誘導されることが報告されている。このことは遺伝子が細胞老化のプログラムを制御していることを示唆するものであるが、その機能を担う遺伝子は単離されていない。この遺伝子の機能を解析することは、細胞老化、発がん等の細胞増殖の制御機構を明らかにする上で重要である。本研究では、不死化細胞株としてマウスメラノーマ細胞株B16-F10を用い、1番染色体上の細胞老化誘導遺伝子の単離を目的とした詳細な遺伝子座を、 Subchromosomal transferable fragments (STFs)の移入による細胞老化誘導の効果と細胞老化を免れたヒト1番染色体の欠失領域から検索した。細胞老化誘導を起こしたSTFは、共通して1q24-q31とq42-q44の染色体領域を保持するものであった。さらに、この2箇所の領域にマップされているSTSマーカーを用いて、老化を免れたB16-F10の1番染色体の保持領域を検索した結果、q42-q44の数Mbの共通欠失領域が検出された。現在、この領域に位置するYAC、BACをこの細胞にトランスフェクションすることで細胞老化誘導遺伝子の存在領域について検討中である。