ABSTRACT 1223(P4-10)
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Telomerase Reverse Transcriptase mRNAの定量による薬剤感受性試験
久富 寿1)、長尾 久美1)、花園 誠2)、荻野 満春2,3)、引地 一昌1) (株式会社エスアールエル 遺伝子・染色体解析センター1)、帝京大学市原病院 実験動物施設 2)、帝京大学市原病院 婦人科 3) )

Levels of telomerase catalytic subunit mRNA in K562 and HL60 cell line under anticancer agent : Hisashi HISATOMI 1), Kumi NAGAO 1), Makoto HANAZONO 2), Mitsuharu OGINO 2,3), Kazumasa HIKIJI 1) (Center for Mol. Biol. and Cytogenet., SRL, Inc.1), Clin. Res. Center, Teikyo Univ. Sch. of Med., Ichihara Hospital. 2), Dept. of Obstet. & Gynecol., Teikyo Univ. Sch. of Med., Ichihara Hospital. 3))

[目的] 癌細胞に高率に高い活性が認められるテロメラーゼは内部にTelomerase RNA component (hTR)を持ち、Telomerase Reverse Transcriptase (hTRT)によってその活性化が調節されていると考えられている。我々は投薬によりテロメラーゼ活性が低下するCell LineのhTRT mRNAおよびhTR量を観察することによりテロメラーゼの活性化の機序の一端を明らかにし、hTRT mRNAの腫瘍マーカーとしての有用性を確認した。
[方法] 白血病細胞株であるK562およびHL60 cell lineを2mM Hydroxyurea存在下で24時間培養し、細胞をG1/S期に同調した後、通常培養をおこなった。マイトマイシン投与開始時を0時間とし 6, 12, 24, 36, 48時間後に細胞を回収し、テロメラーゼ活性、hTRT mRNAおよびhTRの測定に用いた。テロメラーゼ活性はTRAP-eze Telomerase Detection kit を用いたFluorescence-based TRAP法で、hTRおよびhTRT mRNAはReal-time PCR法で定量した。
[結果] マイトマイシンの投与によりK562およびHL60のテロメラーゼ活性およびhTRT mRNA量は減少傾向を示した。hTRT mRNAがテロメラーゼ活性と同様の動きを示したことからhTRT mRNAの腫瘍マーカーとしての有用性に期待がもたれた。投薬の有無にかかわらずhTR量は維持されており、テロメラーゼ活性の減少にはhTR量の関与しない場合があることが証明された。