ABSTRACT 1227(P4-10)
 ポスターセッション一覧 トップ 


抗癌剤による子宮体癌細胞のテロメラーゼ活性変化と細胞周期の関連:荒川敦志,西川博,鈴森薫(名市大・産婦)

Telomerase activity and cell cycle analysis in endometrial carcinoma cell line under anticancer agent : Atsushi ARAKAWA, Hiroshi NISHIKAWA, Kaoru SUZUMORI (Dept. of Obstetrics and Gynecology, Nagoya City Univ.)

<目的>細胞の分裂増殖に関与しているテロメアを延長することが知られているテロメラーゼの活性が抗癌剤投与によって変動することが示されている.またその活性は細胞周期に依存している可能性が示されている.そこで今回,抗癌剤投与によるテロメラーゼ活性の変化と同時に細胞周期解析を加え両者の関連性について検討した.<方法>当教室で樹立経代維持している子宮体癌株(NUE-1)を用い,CDDPは3濃度で1時間接触,FUは4濃度で24時間接触,またDOXは4濃度でを1時間接触させた.抗癌剤を洗浄後,経時的に生細胞を回収しテロメラーゼ活性をTRAP(Telomeric Repeat Amplificaion Protocol)法にて測定した.また各濃度の細胞増殖曲線やフローサイトメトリーによる細胞周期解析との関連性を検討した.<結果>細胞発育曲線からは濃度依存的に細胞数の減少が観察された.テロメラーゼ活性はコントロールで異常に高値を示していたが,CDDP,FU接触で濃度依存的な低下傾向が見られたが、DOX接触ではコントロールより36及び48時間後に高値を示していた.細胞周期解析の検討では一定の傾向がみられなかった.<考察>癌細胞が抗癌剤に接触した場合,テロメラーゼ活性は変化を受けるが一定のものではなかった.細胞周期解析においても各抗癌剤特有の変化をみせたが,その変化とテロメラーゼ活性との間にも一定の関係が認められず,抗癌剤の作用機序の違いなどが影響している可能性も考えられた.