ABSTRACT 1229(P4-10)
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大腸腺腫におけるテロメラーゼ活性と臨床病理学的因子との相関:吉田 良1, 2,清塚康彦1,仙崎英人1,市吉 浩1,日置紘士郎2,螺良愛郎1(関西医大・1病理,2外)

Telomerase activities in adenoma of the colon in relation to clinicopathological factors: Ryo YOSHIDA1, 2, Yasuhiko KIYOZUKA1, Hideto SENZAKI1, Hiroshi ICHIYOSHI1, Koshiro HIOKI2, Airo TSUBURA1 (Depts. of 1 Pathol.,2 Surg., Kansai Med. Univ.)

【目的】大腸におけるテロメラーゼ活性(TA)の発現は大腸癌について多くの研究がなされているが、腺腫についての報告は少ない。そこで、腺腫におけるTAを定量化し、臨床病理学的諸因子との相関を検討し、併せて大腸癌でのTAと比較した。【方法】大腸腺腫14例、大腸癌20例ならびに正常粘膜6例につきCHAPS lysis bufferを用いて蛋白を抽出、TRAP法を行い、銀染色にて発色後、NIH imageで定量化を行った。なお、正常粘膜におけるTAを1として腫瘍を比較した。【結果】正常粘膜にもわずかなTAが認められた。TAは大腸腺腫では100%(14/14)に発現を認め、かつ正常粘膜に比して発現は増強し(×2.02±0.83)、組織学的に低異型腺腫(×1.59±0.54)と高異型腺腫(×2.57±0.85)間、ならびに、大きさが10mm以上のもの(×2.55±0.77)と以下のもの(×1.46±0.44)で各々TAに有意差を認めた。一方、大腸癌は75%(15/20)にTAを認め、腺腫に比して平均TAの上昇(×6.93±4.62)をみたが、症例により多彩な値を示し、各種臨床病理学的因子とTAとの間に相関関係は認められなかった。【結語】TAは大腸腺腫の異型度や大きさと相関関係が認められた。