ABSTRACT 1231(P4-10)
大腸がんにおける半定量化テロメラーゼ活性値とアポトーシスおよびStageとの関係について:藤田幹夫、冨田茂樹、上田善彦、藤盛孝博(獨協医大・医・第二病理)
Semi-quantitative telomerase activites moderates apoptosis and clinical future in colorectal carcinoma:Mikio FUJITA,Shigeki TOMITA,Yoshihiko UEDA,Takahiro Fujimori (Dept.of Pathology.Dokkyo Univ.Sch.Med,)
【目的】近年、Telomeraseが悪性腫瘍で発現しているとされ、早期診断、予後因子として検討がなされてきたが、その活性は悪性腫瘍の多くで陽性とされ、その意義について疑問視されはじめている。また、apoptosisも悪性腫瘍発生の上で関心が持たれている。今回我々は大腸がん症例を材料に従来のTRAP法をmodifyし半定量化された活性値を測定し、組織型、stage分類、apoptosis関連因子について検討した。
【材料・方法】凍結保存された大腸がん組織(20検体)から蛋白を抽出定量後、蛍光標識TSprimerでPCR施行後DNA sequencerで解析し半定量化TRAP法を施行した。
apotosis関連因子(P53,Bcl-2,BAX)とKi-67については免疫組織学的に検討した。
【結果・考察】Telomerase活性は全例で陽性であったが、半定量値は年齢依存性に、組織型ではより低分化型に、Stage(Dukes分類)ではDukesAとCで高値を示した。また、P53,Ki-67の陽性所見は活性値と負の相関を呈した。以上のことから半定量化されたTelomerase活性値を用いることで、分化度やStage間での差異が確認されただけではなく、apoptosisとの関係も示唆された。総会では大腸がん発生過程でのTelomerase活性値の意義について言及する。