ABSTRACT 1236(P4-10)
 ポスターセッション一覧 トップ 


乳癌におけるテロメラーゼの発現と活性:吉田和弘1、大崎昭彦1、田原栄治2、田原栄俊2、井出利憲2、安井 弥3、田原榮一3、中山潤一4、石川冬木4、峠 哲哉1、(広島大・原医研・外科1、同医・薬学科2、同医・第一病理3、東京工大・生命理工学部4) 

Expression of telomerase and its activity in human breast carcinomas: Kazuhiro YOSHIDA1, Akihiko OHSAKI1, Eiji TAHARA2, Hidetoshi TAHARA2, Toshinori IDE2, Wataru YASUI3, Eiichi TAHARA3, Fuyuki ISHIKAWA4, Jun-ichi NAKAYAMA4, Tetsuya TOGE1 (1Dep. Surg.Oncol, Res. Inst . for Radiation. Biol.and Med, 2Dep. Mol Biol, 3Dep. Pathol., School of Med., Hiroshima Univ., 4Dep. Life Sci, Tokyo Inst. Technology)

【目的】消化器癌、乳癌においてテロメラーゼ活性の分子病理診断としての有用性について報告してきた。今回さらにテロメラーゼのRNA および蛋白の発現を検討した。【方法】乳癌症例 127 例の腫瘍部および 52 例の非癌部を用いてTRAP Assay にてテロメラーゼ活性を測定した。次にRT-PCR 法を用いてテロメラーゼRNA (hTRT), hTR, TLP1 の発現を検索し、さらにTRTに対する抗体用いて蛋白レベルでの発現を検討した。 【結果】テロメラーゼ活性は乳癌組織で73%で陽性であった。非癌組織では、乳腺症組織や線維腺腫でも弱いながら活性が検出された症例も認められた。RNA レベルの検索では hTR, TLP1 の発現はすべての症例で検出されたのに対し、hTRTの発現はテロメラーゼ活性と比較的よい相関を示した。一方蛋白レベルでの検索では、癌細胞の核に強い染色性を示した。また間質に浸潤したリンパ球にも弱いながらも染色性が認められた。【結論】テロメラーゼ活性やhTRTの発現は乳癌において癌の分子病理診断として有用である可能性が示唆された。