ABSTRACT 1239(P4-10)
口腔・頭頚部骨腫瘍におけるTelomerase活性の検討:三好代志子1.4、槻木恵一1、渡辺是久1、笹倉裕一2、村上正基3、笠原正男3、窪田吉信4(1神奈川歯大・病理、2神奈川歯大・口外、3藤田学園・医・病理、4横浜市大・医)
Telomerase activity of oral, head and neck bone tumors: YoshikoMIYOSHI1.4,KeiichiTSUKINOKI1,YoshihisaWATANABE1,YuichiSASAKURA2,Masamoto MURAKAMI3,Masao KASAHARA3,Yoshinobu KUBOTA4(1Dep.of Pathology, 2First Dep.of oral Surgery. Kanagawa Dental Coll., 3 Patho. FujitaHelthUniv.,Sch.,Med., 4 Dep.of Uro. Yokohama City Univ.)
[目的]顎骨に発生する線維-骨性病変Fibro-Osseous lesionは腫瘍との境界病変と考えられる症例が多く、その鑑別が困難な場合がある。そこで演者らは今回、口腔頭頚部に発生した骨腫瘍と骨腫瘍様病変との鑑別を目的にTelomerase活性を検討した。[材料と方法]検索した症例は、Osteosarcoma, Postradiation osteosarcoma, ossifying fibrouma, fibrous dysplasia of bone, 正常組織で、Telomerase活性の測定方法は、PCR-プライマーエクステンションによるTRAP assay法を用いた。p53,Rb遺伝子のヘテロ欠失の検索にはマイクロサテライトPCR-LOH解析を用いた。[結果及び考察]Osteosarcomaでは高いTelomerase活性が検出されたがPostradiation osteosarcomaでは、活性は認められなかった。一方、 ossifying fibroumaでは2例中1例に活性が検出された。さらに正常骨組織(胎児)には一部活性が検出された。 fibrous dysplasiaおよび正常骨組織(成人)には活性は認められなかった。LOH解析結果ではPostradiation osteosarcomaにのみ腫瘍部でp53,Rb遺伝子のヘテロ欠失が認められた。以上の結果は骨腫瘍の発生誘因の相違や腫瘍様相違によってTelomerase活性やLOHの異常の関与が様々であることが示唆される。