ABSTRACT 1242(P4-10)
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肺癌におけるテロメラーゼ(TR)活性及びmRNA発現とその診断的意義:熊木史幸, 河合俊明, 広井禎之, 鳥潟親雄 (防衛医大・病理)

Telomerase activity and in situ telomerase RNA expression in lung carcinoma:Fumiyuki KUMAKI, Toshiaki KAWAI, Sadayuki HIROI, Chikao TORIKATA (Dept. of Pathology, National Defense Medical College.)

【目的】肺癌において, TR活性の強さ及びin situにおけるmRNA発現が診断に有用であるかを検討した。【方法】外科的に切除された肺癌123例(扁平上皮癌(SQ)50, 腺癌(AD)56, 大細胞癌(LG)12, 小細胞癌(SM)5)及び非腫瘍部6例の新鮮凍結材料を用いて半定量的TRAP assayを行った。また同症例32例のパラフィン材料を用いてTRmRNAの発現をin situ hybridization(ISH)で検索した。これらの結果を臨床病理学的因子と比較した。【結果】肺癌におけるTR陽性率は80%(SQ 86, AD 68, LG 100, SM 100)でADとSQ及びLGで差が見られた。非腫瘍部はすべて陰性であった。また活性の強さはSMとSQ及びADとの間に差が認められた。さらにADでは、高及び中分化型と低分化型との間に差が認められた。ISHでは, 肺癌全症例にmRNAの発現を認め, 非腫瘍部では陰性であった。活性の強さとmRNAの発現との間には相関は認められなかった。【結論】肺癌においてTR活性の強さは組織型及び分化度の診断に, mRNAの発現は癌と非腫瘍の鑑別に有用であると思われた。