ABSTRACT 1247(P4-10)
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ヒト悪性腫瘍のテロメラーゼ活性とテロメラーゼ構成蛋白及びRNA鋳型の発現とその臨床的意義:檜山英三1,檜山桂子2(広島大・医・1総合診, 1一外, 2二内)

Telomerse activity and expression of its components in human neoplasias: Eiso HIYAMA1, Keiko HIYAMA2 (1Dept. of General Med., 1First Dept.of Surg., 2Second Dept. of Int. Med., Hiroshima Univ. Sch. of Med.)

[目的]細胞の不死化と共に発現・活性化するtelomeraseが多くの癌組織で検出されることを報告してきた。今回,telomeraseを構成するTERT(telomerase reverse transcriptase), TEP1(telomerase associated protein 1), TERC(telomerase RNA component)の発現をヒト腫瘍で検討し,telomere長,telomerase活性度及び臨床経過との関連を検討した。[方法]外科切除した乳,肺,胃,大腸,肝,膵癌等成人癌272,神経芽腫,腎芽腫等小児癌122及び肉腫16の癌部と非癌部を採取し,telomerase活性, telomere長(TRF長)を測定し,TERC発現をノザン法にて,TERT, TEP1発現をRT-PCRにて検討した。[結果]telomerase活性レベルとTERT発現は有意の相関を示し,TERC発現もある程度相関した。これに対し,TEP1は癌部,非癌部共に殆どの組織で発現していた。telomerase低活性叉は無活性腫瘍の中にTERT,TERC高発現例が28例存在し,小児癌が半数を占めていた。臨床経過ではtelomerase高活性,TERT発現腫瘍は進行例が有意に多く,予後不良で,中でもTRF長が短い腫瘍は生存期間が短かかった。[結語]ヒト腫瘍におけるtelomerase活性はTERT発現によって制御され,telomerase活性レベルと共にTERT発現も腫瘍の進行度と相関していた。TERT発現抑制が今後telomeraseをターゲットとした癌治療の一戦略になると考えられた。一方,TERC発現レベルもtelomerase活性レベルと有る程度相関していたが,一部ではTERT,TERCが高発現した癌でもtelomerase活性がない腫瘍が存在し,TERT,TERC以外の制御因子の存在も示唆された。