ABSTRACT 1254(P4-10)
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胆汁中および胆道組織生検中テロメラーゼ活性による胆道癌の術前診断 : 前原直樹,新山秀昭,水元一博,佐藤典宏,楠本正博,小川尚洋,清水周次,田中雅夫(九大・医・一外)

Preoperative diagnosis of bile duct carcinoma with telomerase activity in bile and biopsy specimen : Naoki MAEHARA, Hideaki NIIYAMA, Kazuhiro MIZUMOTO, Norihiro SATO, Masahiro KUSUMOTO, Takahiro OGAWA, Shuji SIMIZU, Masao TANAKA(Dept. of Surg. I, Kyushu Univ. Fac. of Med.)

【目的】各種の膵胆道疾患の患者から得られた胆汁中および生検胆道組織中のテロメラーゼ活性を測定し、その臨床的意義について検討した。
【対象】1)胆汁;組織学的に診断可能であった膵胆道疾患患者42例(膵癌10例、胆嚢胆管癌19例、胆道結石症などの良性疾患13例)。2)生検組織;PTCS、ERC下生検15例(胆管癌11例、肝内結石症4例)。
【方法】テロメラーゼ活性は、TRAP法に準じて測定し、ヒト膵癌培養細胞株MIA PaCa-2を用いて半定量化を行った。
【結果】1)胆汁;テロメラーゼ活性陽性率は膵癌症例で5/10(50%)、胆嚢胆管癌症例1/19(5.3%)、良性疾患症例は13例中全例が陰性であった。2)生検組織;陽性率は胆管癌症例8/11(72.7%)、肝内結石症症例は4例中全例が陰性であった。
【結論】胆道癌診断において胆汁中テロメラーゼ活性陽性例は低率であったが、PTCS、ERC下生検組織では高率にテロメラーゼ活性陽性で、診断上有用であると考えられた。