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胃癌腹腔内洗浄水におけるテロメラーゼ活性の検討:森尚秀,硲彰一,飯塚徳男,山本光太郎,岡正朗(山口大2外)

Investigation of telomerase activity in peritoneal lavage fluid in patients with gastric cancer;Naohide MORI,Syoichi HAZAMA,Norio IIZUKA,Kohtarou YAMAMOTO,Masaaki OKA (Dept. of Surg.II. Yamaguchi Univ.)

【はじめに】胃癌腹腔内洗浄細胞診は細胞変性などの状況下においては診断は必ずしも容易ではない。悪性腫瘍は高頻度にテロメラーゼ活性を有し、診断法としても期待されており、今回上記の細胞診とテロメラーゼ活性を比較検討し、その問題点に触れると共に、新たにImmunomagnetic beads を用いたTRAP assay にて検討し良好な結果を得た。【方法1】胃癌患者10例(se4例,ss1例,sm5例)の腹腔内洗浄水を従来のTRAP assay にて検討した。【結果1】深達度ss以深の5例中4例がテロメラーゼ活性陽性で、classVは1例であった。深達度smの5例中3例が活性陽性であった。癌細胞が存在しないと考えられる検体において高頻度に活性を認めたことは、混入リンパ球の活性に由来すると考え、以下の方法を考案した。【方法2】検体中の上皮細胞をImmunomagnetic beads を用いて分離、リンパ球その他の細胞成分を除去した後、TRAP assayを行った。【結果2】深達度ss以深の9例中4例がclassVで、これらを全て含んだ6例に活性を認めた。mp〜mの11例は全て活性陰性であった。【結語】Immunomagnetic beadsを用いることによりリンパ球によるfalse positive が解消され、さらにTRAP 阻害蛋白の減量効果も加わり、精度の高い検査法となった。臨床的意義について今後検討する予定である。