ABSTRACT 1256(P4-10)
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尿中テロメラーゼ活性を用いた癌検診への応用:八幡尚之1、相沢卓2、伊藤貴明2、岩間博士1、嶋本隆司1、大屋敷一馬1、長尾久美3、久富寿3 (1東京医大・1内、2泌尿器、3SRL)

The application of telomerase activity in urine for screening of urological neoplasias: Naoyuki YAHATA1, Taku AIZAWA2, Takaaki ITO2, Hiroshi IWAMA1, Takashi SHIMAMOTO1, Kazuma OHYASHIKI1, Kumi NAGAO3, Hisashi HISATOMI3 (11st Dept. of Int. Med., 2Dept. of Urol., Tokyo Medical College; 3SRL )

【目的】尿テロメラーゼ活性をがん検診に応用するために従来の報告より少ない量の尿検体を用いて自動化システムでの解析を試みた。
【方法】対象は泌尿器科悪性腫瘍15例(膀胱癌10例、腎細胞癌3例、前立腺肉腫1例、腎盂癌1例)と泌尿器良性疾患7例(副睾丸炎1例、腎血管筋脂肪腫1例、前立腺肥大症4例、先天性水腎症1例)。早朝EDTA添加尿を10ml採取し溶血処理後、遠沈しCHAPS溶解液で蛋白を抽出した。蛍光標識したテロメラーゼ基質による伸長反応後、インヒビターの除去、鋳型の濃縮のためレジンで蛋白質を除去しカラムで処理した。この濃縮したDNA鋳型を用いて、PCR反応を行いDNAシークエンサーを用いてF-TRAP法によりテロメラーゼ活性を測定した。活性は半定量的に数値化して表し、細胞診による結果と対比した。
【結果と考察】テロメラーゼ活性は膀胱癌7/10、腎細胞癌1/3、前立腺肉腫0/1、腎盂癌0/1で陽性であった。また再発腎細胞癌では極めて高い活性値を認めた。細胞診では膀胱癌で3/10しか腫瘍細胞を検出しえなかった。一方、良性疾患は全てテロメラーゼ活性を認めなかった。以上よりEDTA尿を用い、テロメラーゼ基質伸長産物をカラム処理することで、10mlの尿からでもテロメラーゼ活性検出は可能であることが判明した。本システムは短時間で多くの検体を処理できるため、泌尿器科悪性腫瘍のスクリーニング検査に応用できる可能性が示唆された.