ABSTRACT 1259(P4-11)
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三量体GTP結合蛋白質Giに結合するrapGAPアイソフォームによるMAPキナーゼの制御:著者名:望月直樹 (国立医療セ), 清川悦子(国立感染研), 松田道行(国立医療セ)

Regulation of MAP kinases by a novel isoform of Rap1GAP associated with the alpha subunits of heterotrimeric Gi proteins:英文著者名:Naoki MOCHIZUKI (Dept. of Pathology, IMCJ), Etsuko KIYOKAWA (Dept. of Pathology, NIID), Michiyuki MATSUDA (Dept. of Pathology, IMCJ)

[目的]三量体GTP結合蛋白質Giからのシグナルによる癌化機構を検討する。[背景]恒常的活性化型Gi(GiQL)によるRat-1細胞の癌化は知られているがその機序は明らかではない。7回膜貫通型受容体から、βγサブユニットからPI3キナーゼ・Rasを介したMAPキナーゼの活性化は詳細に検討されているがαサブユニットから、MAPキナーゼ活性化の経路は明らかにされていない。[方法]GiをbaitとしてYeast two-hybrid法を用いてGiの新たな効果器分子を検索した。[結果]Giに結合するrapGAPのアイソフォーム(rapGAPII)を同定した。このアイソフォームはこれまでに同定されていたrapGAPよりもN末側が31アミノ酸長くここに結合部位があることが判明した。この結合はGTP依存性であることから、Giが受容体刺激により活性化されrapGAPIIへシグナルを伝えると予想された。293T 細胞にムスカリン刺激(m2受容体)を加えた場合、rapGAPII依存性にMAPキナーゼを活性化した。rapGAPIIの強制発現によりRapの非活性化だけでMAPキナーゼが活性化された。[考察・総括]Giによる癌化の機構として、rapGAPIIを介したRapの非活性化によるMAPキナーゼの活性化が考えられた。7回膜貫通型受容体からβγを介さずGiによるMAPキナーゼの活性化が起こることが判明した。