ABSTRACT 1261(P4-11)
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培養肺癌細胞におけるAsh/Grb2の局在と増殖因子誘導による細胞内移動についての検討:持田純子、井上勝一(北大院・地球環境科学・環境情報医学)

Changes in localization of Ash/Grb2 induced by Growth Factor stimulation in lung cancer cell lines:Junko MOCHIDA,Shoichi INOUE(Dept. of Environ. Med.and Informatics, Graduate Sch. of Environ. Earth Sci., Hokkaido Univ. )

癌細胞のシグナル伝達におけるAsh/Grb2の局在や増殖因子で刺激時の局在の変化について検討する。シグナル伝達系における特徴が異なる4種のヒト肺癌細胞を低栄養条件で培養し、EGFまたはIGF1で刺激したときのAsh/Grb2の局在の変化を共焦点レーザー走査蛍光顕微鏡によって観察した。又、EGF及びIGF Receptor、ErbB2、Ash/Grb2の発現レベルはWestern blottingにより、更にGF刺激時のAsh/Grb2とBeta-tubulinとのinteractionについては、免疫沈降を行いWestern blottingにより検討した。1)EGFRとErbB2の発現レベルの違いによりGF刺激時の反応性がMAPKの核移動の仕方において異なっていた。2)低栄養条件下の細胞ではAsh/Grb2は細胞質全体に瀰漫性に存在する場合と細胞膜周辺に局在する場合があった。3)前者の場合、Ash/Grb2はGF刺激により膜周辺へ移動した。4)Ash/Grb2の発現レベルは各細胞株で大きな差はみられなかった。Ash/Grb2の局在やGF刺激による細胞内移動が、癌細胞での細胞増殖に大きく関与していた。