ABSTRACT 1268(P4-11)
ヒト肺癌におけるprotein kinase C (PKC) isoformsの発現と活性化:
北川雄光、北島政樹、James C Hogg*(慶應義塾大学外科、Pulmonary Research Laboratory, St. Pauls Hosp. UBC*)
Expression and activation of protein kinase C isoforms in human lung cancers. Yuko KITAGAWA, Masaki KITAJIMA, James C HOGG* (Dept. of Surgery, Keio Univ., Pulmonary Research Laboratory, St. Pauls Hosp. UBC*)
【目的】ヒト肺癌組織における各種protein kinase C (PKC) isoformsの発現の局在と活性化を検索する。
【方法】ヒト肺癌新鮮凍結切除標本から蛋白を抽出し、細胞膜分画、細胞質分画に分け、それぞれにおける各種PKC isoformsの発現およびlipid-dependent histone H1 phosphotransferase活性を測定した。
【結果】肺癌組織では正常組織に比して、total PKC activityの上昇、細胞膜分画へのtranslocationが認められた。PKC α, βI, βIIは癌部での発現増加と細胞膜分画への移動が観察されたが、PKCζは癌部細胞質のみに発現を認めた。
【結語】異なる組織型のヒト肺癌組織のにほぼ同じパターンのPKC isoformsの発現および活性化を認め、PKCを含む細胞内シグナルが肺の癌化過程に重要な役割を果たしている可能性が示唆された。