ABSTRACT 1285(P4-12)
不死化ヒト線維芽細胞におけるG1/S期制御機構の解析: 大橋龍一郎1,2、伏見和郎1、宮崎正博1、清水信義2、難波正義1 (1岡山大・医・分子細胞研・細胞生物、2岡山大・医・二外)
The analysis of cell cycle regulation of immortalized human fibroblasts at G1/S check point: Ryuichiro OHASHI1,2, Kazuo FUSHIMI1, Masahiro MIYAZAKI1, Nobuyoshi SHIMIZU2, Masayoshi NAMBA1 (1Dept. of Cel. Biol., Inst. of Mol. Cel. Biol., 2Dept. of 2nd Surg. , Okayama Univ. Med. School)
(目的)正常線維芽細胞は継代培養すると老化によりG1期で分裂を停止する。不死化細胞では老化がおこらず、G1期移行を制御する機構に何らかの変化が生じているものと考えられる。我々は化学発癌剤(4-NQO)、放射線の繰り返し処理、変異p53遺伝子の導入によって、樹立した不死化ヒト線維芽細胞株(OUMS-24/F, OUMS-24/P6X, OUMS-24/P1N, KMST-6)と、その親株である正常細胞(OUMS-24, KMS-6)とを比較して、不死化に関わるG1/S期制御機構の異常を検討した。(方法)正常細胞と不死化細胞のasynchronized cellよりタンパク質を抽出し、G1 Cyclins、CDKs、CDK inhibitorsの発現量をWestern blottingで、CDK kinase activityをin vitro kinase assayで比較した。また、細胞をdensity arrest法でG1期に同調し、各細胞周期における推移を比較した。(結果)asynchronizedの状態では、不死化細胞は正常細胞に比べて、p21 の発現量が低下しており、Cyclin A associated histone H1 kinase活性が高くなっていた。またpRB familyのリン酸化の亢進も認められた。しかし、CyclinD1, CDK4, CDK6の発現量とkinase活性に差はみられなかった。一方、同調した状態の場合では不死化細胞においてもCdk kinase活性、pRB familyのリン酸化は細胞周期に依存した変化を示した。(結論)不死化細胞では細胞周期制御機構に異常が生じているものと推察される。