ABSTRACT 1286(P4-12)
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転写因子E2Fによる哺乳動物MCM遺伝子の発現制御:岩永律子1,大谷清1,野島博2,中村正孝11東京医歯大・疾患遺伝子、2阪大・微研・分子遺伝)

Growth regulated expression of mammalian MCM genes by E2F: Ritsuko IWANAGA1, Kiyoshi OHTANI1, Hiroshi NOJIMA2, Masataka NAKAMURA1 (1Human Gene Sciences Ctr., Tokyo Medical and Dental Univ., 2Dept. of Mol. Genet., Research Institute for Microbial Disease, Osaka Univ.)

MCMファミリー蛋白はDNA複製のライセンス化因子の構成成分と考えられている。MCM遺伝子の発現は酵母では構成的であるが、哺乳動物細胞では増殖刺激によって誘導される。我々は、ヒトMCM5及び6のプロモーターをクローニングし、E2F結合配列が存在することを明らかにしている。本研究では増殖刺激による哺乳動物MCM遺伝子の発現誘導におけるE2Fの役割を検討した。ヒトMCM5及び6のプロモーターはE2F1,2,及び3の発現により活性化され、プロモーター中のE2F結合配列に変異を導入すると、E2Fに対する反応性が失われるとともに増殖刺激による制御も失われた。また、E2F結合配列はE2Fと特異的に結合した。さらにE2F1を強制発現することにより内在性のすべてのMCM遺伝子の発現が誘導された。以上から、増殖刺激による哺乳動物細胞MCM遺伝子の発現は主にE2Fによって制御され、E2Fの活性化がDNA複製複合体の制御に深く関与していることが示唆された。