ABSTRACT 1290(P4-12)
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ヒトSV40トランスフォーム繊維芽細胞株のG2/Mチェックポイント異常 : 津山尚宏1,田原栄俊1,瀬山敏雄2,京泉誠之2,井出利憲11広島大・医・総合薬,2放影研・放生部)

G2/M checkpoint abnormality in SV40-immortalized human fibroblast : Naohiro TSUYAMA1,Hidetoshi TAHARA1,Toshio SEYAMA2,Seishi KYOIZUMI2,Toshinori IDE (1Hiroshima Univ. Sch. Med., Dept. Cell. Mol. Biol., 2Rad. Effects Res. Found., Dept. Radiobiol.)

[目的]温度感受性のSV40 largeT抗原遺伝子導入により不死化したヒト繊維芽細胞株SVts8は、largeT抗原依存的に増殖する。即ち、許容温度(34度)では分裂増殖するが、非許容温度(38.5度)では不可逆的に増殖を停止する。この細胞の非許容温度での増殖停止機構について検討を行った。[方法]SVts8を34度, 38.5度で培養し経時的に回収してフローサイトメトリー、ウエスタン解析等を行った。
[結果]34度で継代培養したSVts8を38.5度に移したところ、細胞数は増加しなかったがDNA合成は継続した。フローサイトメトリー解析の結果、34度では2倍体として増殖したが、38.5度では多倍体化が進み、最高32倍体の細胞集団が観察された。また38.5度では染色体凝集を示す細胞がほとんど観察されなかった。ウエスタン解析により、38.5度ではp53,Waf1及びKip1蛋白の蓄積が観察された。
[結論]SVts8の非許容温度での増殖停止は、G2/M期のみが進行できないことにより起きると考えられた。