ABSTRACT 1291(P4-12)
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KW-2401(UCN-01)の細胞周期に対する作用(第7報):UCN-01とMMCとの相乗的併用効果発現におけるp53機能およびS/G2 abrogation作用の寄与について:杉山和代,秋山忠和,清水牧子,玉沖達也,秋永士朗 (協和発酵・医薬総合研)

Effect of KW-2401(UCN-01) on cell-cycle progression (VII): Effect of p53 function and S/G2 abrogation on the synergistic combined effect of UCN-01 with mitomycin C: Kazuyo SUGIYAMA, Tadakazu AKIYAMA, Makiko SHIMIZU, Tatsuya TAMAOKI, Shiro AKINAGA (Pharmaceutical Res. Inst., Kyowa Hakko Kogyo Co., Ltd.)

【目的】我々はUCN-01がmitomycin C(MMC)、cisplatinおよび5-fluorouracil等の既存抗癌剤とin vitroおよびin vivoで相乗的併用効果を示すことを報告してきた。今回、UCN-01とMMCとの相乗的併用効果のメカニズムを明らかにする目的で、p53機能およびS/G2 abrogation作用の寄与についてp53機能の異なる4種の細胞株を用いて検討した。【結果】UCN-01はp53変異型の細胞株(A431およびPSN-1)において選択的にMMCの殺細胞活性を増強し、その作用発現にはUCN-01によるMMC誘発S/G2期集積作用のabrogation(解除)、cyclin Aおよびcyclin B1の発現上昇の抑制作用が関与している可能性が示唆された。一方、p53野性型の細胞株(MCF-7およびHCT116)でもUCN-01によるMMC誘発S/G2期集積作用のabrogationは一部見られたが、併用による活性の増強は見られなかった。【結語】UCN-01とMMCとの併用療法は、p53変異型の腫瘍において有用であると推論された。