ABSTRACT 1292(P4-12)
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KW-2401(UCN-01)の細胞周期に対する作用 (第8報):M期からG1期への進行を制御する蛋白群に対するSTP誘導体の作用比較:秋山忠和,清水牧子,玉沖達也, 秋永士朗(協和発酵・医薬総合研)

Effect of KW-2401(UCN-01) on cell-cycle progression (VIII) : Comparison of the effects of STP analogues on M to G1-phase regulatory proteins: Tadakazu AKIYAMA, Makiko SHIMIZU, Tatsuya TAMAOKI, Shiro AKINAGA (Pharm. Res. Inst., Kyowa Hakko Kogyo Co., Ltd.)

【目的】我々は以前にstaurosporine(STP)誘導体[UCN-01、CGP41251およびSTP]がM期同調したヒト類表皮癌A431細胞の細胞周期進行に対してそれぞれ80%増殖阻害濃度でG1期集積、倍数体誘導およびG2M期集積を示すことを報告した。今回は、その作用メカニズムについてM期からG1期への進行を制御する種々の蛋白への作用を指標に比較検討した。【方法】各種の蛋白発現およびチロシンリン酸化はウェスタンブロット法にて検出し、cyclin B1キナーゼ活性はcyclin B1免疫沈降物によるヒストンH1へのATPの取り込みを指標に測定した。【結果】薬剤無処理細胞ではM期からG1期への進行に伴ってcyclin B1蛋白発現の低下およびcyclin B1キナーゼ活性の低下が見られ、UCN-01はこれらのプロセスに全く影響しなかった。Novartis社のCGP41251およびSTPはcyclin B1低下を阻害したが、cyclin B1キナーゼ活性の低下には影響しなかった。さらに、STPはCDC2蛋白のチロシンリン酸化を誘発し、このとき高リン酸化型(活性化型)CDC25C蛋白の消失が認められた。【結論】UCN-01、CGP41251およびSTPは増殖を強く抑制する濃度においてM期からG1期への細胞周期進行およびその制御蛋白群に対し、それぞれ全く異なる作用を示すことが明らかとなった。