ABSTRACT 1294(P4-12)
分裂酵母のlicensing factor としてのCdc21タンパク質のCdc2キナーゼによる制御:辻 正弘1,2,岡山博人1(1東大・医・分子生物,2東大病院第一内科)
Regulation of Cdc21(fission yeast MCM protein) by Cdc2 kinase : Masahiro TSUJI1,2, Hiroto OKAYAMA1 (1Dept. Biochem. and Mol. Biol., Grad. Sch. Med., Univ.Tokyo, 2First Department of Internal Medicine, University of Tkyo)
DNAの複製開始機構は酵母からヒトまで驚くほど保存されている。主に出芽酵母を用いた研究からS期の調節に複製開始点で形成されるORC, MCMを中心とする複合体が重要な役割を果たすことが明らかにされつつある。我々は出芽酵母に較べてヒトに近いとされる分裂酵母を用いて、一回の細胞周期にDNA合成が一度し行われないことを保障する因子(licensing factor)としてCdc21タンパク質(MCM4ホモログ)が関与している可能性を解析した。Cdc2キナーゼ活性抑制因子として知られているrum1+, srw1+ の高発現、及びcig2 サイクリンの欠損により、温度感受性変異株cdc21tsの温度変異が抑制されたこと、さらにCdc21タンパク質には二カ所Cdc2キナーゼによるリン酸化コンセンサス配列があることから、Cdc21タンパク質はS期後期からG2期にCdc2キナーゼによるリン酸化を受け不活性化されることが示唆された。現在Cdc21タンパク質がCdc2キナーゼによるリン酸化を受けるかを解析中である。