ABSTRACT 1303(P5-1)
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t(8;21)型白血病のAML1-MTG8キメラ転写因子によるG-CSFレセプター発現調節 : 清水喜美子,大木 操(国立がんセ・研・放射線)

Regulation of G-CSF receptor expression by AML1-MTG8 chimeric transcription factor associated with t(8;21) acute myeloid leukemia : Kimiko SHIMIZU, Misao OHKI (Radiobiol. Div., Natl. Cancer Ctr. Res. Inst.)

t(8;21)白血病で生成するAML1-MTG8キメラ転写因子をG-CSFによって好中球へと分化するマウス骨髄性細胞株(L-G)にレトロウィルスベクターによって導入すると、G-CSFレセプターが発現誘導される。これはt(8;21)陽性細胞株での高発現とよく一致する。G-CSFレセプターの発現にはPU.1とC/EBPaが重要であることが知られているが、L-G細胞株を用いてG-CSFレセプターのプロモーター活性をAML1 とAML1-MTG8の関係において検討した。種々のプロモーター領域を含むレポーターを作製して、ルシフェラーゼアッセイを行ったところ、AML1-MTG8は用いたどのレポーターでも活性を上昇させ、最短+10〜−60 領域の活性を上昇させた。逆にAML1は+10〜−180のレポーター活性を阻害した。この領域にはAML1の直接の結合部位は存在しないことから、これらの作用は間接的なものであり、AML1 とAML1-MTG8は他の因子を介して拮抗的にG-CSFレセプターの発現調節を行っていると推定された。