ABSTRACT 1306(P5-1)
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マウスc-myc遺伝子プロモーターに働く転写因子ZF5と結合する因子の検索:沼本通孝1、神垣あかね1、横路健2、柳谷章文1(広島大・1原医研・分子病理, 2医・皮膚科)

Detection of factors which associates with mouse c-myc binding factor ZF5. Michitaka NUMOTO1, Akane KAMIGAKI1, Ken YOKORO2, Akifumi YANAGIDANI1(1Dept. Mol. Pathol., Res. Inst. Radiat. Biol. Med., 2Dept. Derma., Sch. of Med., Hiroshima Univ.)

我々はZF5を、最初マウスc-myc 遺伝子のプロモーターに特異的に結合するKruppel型zinc fingerタイプのDNA結合因子として単離した。機能としては、c-myc 遺伝子の転写を抑制する効果が見られるが、HIV遺伝子に対して活性化作用を持ち、作用するプロモーターが異なると相反する機能を持つことが明らかになっている。最近では、ヒトZF5が頭部に表現型を持つHoloprosencephaly type 4(HPE4)の責任遺伝子であることを示唆する報告が他のグループによってなされている。さらに、ZF5は染色体転座による造血器腫瘍の形成に関与しているBCL-6及びPLZFと同じPOZ/zinc finger型遺伝子群をなすことから、ZF5の発現異常が何らかの腫瘍形成に関与していることが示唆される。
本学会では、ZF5がタンパクータンパクの結合によって、相互関連し合う因子を同定する目的で、two-hybrid及びGST-融合タンパクを用いた方法によって検索を行った。結果は、ZF5がタンパクータンパク結合する部位はPOZドメインの中でC末端側にあり、この結合にはzinc fingerドメインの存在が必須であった。また、ZF5と同じ遺伝子群をなすBCL-6及びZIDにも同様の結果が認められた。さらに、これらの因子とZF5は互いに結合し得ることが明らかになった。