ABSTRACT 1312(P5-1)
Maf癌遺伝子産物の転写活性化能とトランスフォーメーション:片岡 浩介1,中川(吉友)清美1,塩田 節子1,西澤 誠2(1東大医科研・癌ウイルス,2Dept. of Mol. Exp. Med., Scripps Res. Inst., USA)
Transactivation and transformation by Maf oncogene product : Kohsuke KAKAOKA1, Kiyomi. YOSHITOMO-NAKAGAWA1, Setsuko SHIODA1, and Makoto NISHIZAWA2 (1Dept. of Virol., Inst. of Med. Sci., Univ. of Tokyo, 2Dept. of Mol. Exp. Med., Scripps Res. Inst., USA.)
鶏のレトロウイルスAS42より発見されたMaf癌遺伝子産物はbasic-leucine zipper (bZip) 構造を持つ転写因子であり、ホモ2量体としてTPA-responsive element (TRE) やcAMP-responsive element (CRE) に類似したDNA配列MARE (Maf-recognition element) に結合し、転写を活性化する。また、bZip構造を持つJun, Fos癌遺伝子産物ともヘテロ2量体を形成することを見い出し、これらのタンパク質とともに転写制御のネットワークを形成していることをこれまでにあきらかにしてきた。また、Mafによる細胞のトランスフォーメーションにはDNA結合能および転写の活性化能が必須であることもあきらかにしてきたが、最近MafのDNA結合を阻害する蛋白質としてHomeodomainをもつ蛋白を同定した。現在その役割と意義を解析中であり、さらにMafの転写活性化ドメイン自体に対する制御についても検討を加えている。