ABSTRACT 1313(P5-1)
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Transcriptional co-activator p300/CBPの機能解析:川崎広明1,2, 横山和尚11理研・筑波センター, 2工技院・生命研)

Functional analysis of transcriptional co-activator p300/CBP. : H. Kawasaki1,2, J. Ohkawa3, K. Taira2, R. Eckner4, D. M. Livingston4 and K. Yokoyama1, 1RIKEN Tsukuba Life Science Center, 3Natl. Inst. of Biosci. and Human Tec.

 転写のコアクティベーターであるp300/CBPは、p53やNF-κBなど多くの転写因子やシグナル伝達因子と相互作用することから、種々のシグナル伝達に関与していると考えられている。またp300/CBPは、それ自身がヒストンアセチルトランスフェラーゼであり、ヌクレオソームのリモデリングに関与している多機能蛋白質である。さらにCBP遺伝子は、頭部・顔面奇形や精神遅滞を伴うRubinstein-Taybi症候群の原因遺伝子であり、一方p300遺伝子の変異は大腸癌や胃癌への関与が示唆されている。我々はp300の細胞内機能解析の目的から、リボザイムによるp300遺伝子発現のノックアウトを試みている。前総会においてp300がレチノイン酸 (RA) 誘導によるマウス胚性腫瘍細胞であるF9細胞の分化に必須であることを報告した。今回はさらに解析を進め、p300がF9細胞の分化に伴うアポトーシス誘導にも必須であることをDNAラダーアッセイおよびTUNEL法により見い出した。またp300が、cell cycle arrestに深く関与するcdk阻害因子であるp21Cip1の発現に必要であることを明らかにした。さらにp300とCBPの機能の違いについても報告する予定である。