ABSTRACT 1314(P5-1)
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ets がん遺伝子群転写因子E1AFのHGF/c-met 伝達系への関与: 堀向弘眞1,2、進藤正信2,3、樋田京子1,2、吉田幸一、向後隆男2、戸塚靖則11北大・歯・二口外, 2北大・歯・口腔病理, 3札幌医大・がん研・分子生物)

Antisense E1AF transfection directly inhibits HGF/c-met signaling pathway, and decrease cancer cell invasion ability through MMP gene inactivation. : Hiromasa HORIMUKAI1, Masanobu SHINDOH2, 3, Kyoko HIDA1, Koichi YOSHIDA3, Takao KOHGO2, Yasunori TOTSUKA1 (1Dept. of Oral Surg., Hokkaido Univ. Sch. of Dent., 2Dept. of Oral Pathol., Hokkaido Univ. Sch. of Dent., 3Dept. of Molec. Biol., Cancer Res. Inst., Sapporo Medical Univ. Sch. of Med.)

これまで我々は,HGFレセプターc-METを高発現している口腔扁平上皮がん由来細胞株HSC3がHGF刺激によりets がん遺伝子群転写因子E1AFとマトリクスメタロプロテアーゼ(MMP) -1,-3,-9の相関した転写の亢進がみられることを報告してきた。今回、我々はc-METの発現の低い口腔扁平上皮がん由来細胞株Ca9.22にc-met 遺伝子導入を行ったクローン(met9.22),さらにmet9.22にE1AFアンチセンス発現ベクターを導入したクローン(met-9.22AS)を得た。これらの細胞にHGF刺激を行ったところmet9.22はE1AFとMMPsの転写の亢進がみられたのに対し、met9.22ASでは、c-METが発現しているにも関わらずMMPのタンパクレベルでの発現の抑制 が認められた。このような所見は、転写因子E1AFがHGF/c-met伝達系の下流に位置し、HGF刺激によるMMPの発現を制御し、口腔扁平上皮癌の浸潤能に直接関与していることを示唆するものと思われた。