ABSTRACT 1315(P5-1)
肺癌においてPlatinum drug曝露により発現誘導される転写因子遺伝子のクローニング:小栗鉄也1、加藤 修2、高橋利明1、横崎典哉1、礒部 威1、石岡伸一1、渡辺敦光2、山木戸道郎1(1広島大・第二内科、2広島大・原医研・環境変異)
The Krueppel-type zinc finger gene, HKR1, is induced by platinum drugs in lung cancer: Tetsuya OGURI1, Osamu KATOH2,Toshiaki TAKAHASHI1, Michiya YOKOZAKI1, Takeshi ISOBE1, Shinichi ISHIOKA1, Hiromitsu WATANABE2, Michio YAMAKIDO1 (12nd Dept. Int. Med., 2Dept. Environ. & Mut.,RIRBM, Hiroshima Univ.)
肺癌におけるPlatinum drug耐性獲得の分子機序を明らかにするために、我々は、ヒト肺腺癌細胞株においてPlatinum drug曝露により発現誘導が認められるzinc-finger motif (ZNF)を持つ転写因子遺伝子の同定を行った。degenerate primerを用いてスクリーニングした結果、HKR1遺伝子が発現誘導される遺伝子として同定された。HKR1cDNAは約2.6Kbで、その遺伝子産物は691アミノ酸からなり、N末側にKrueppel-associate box (KRAB) A- boxおよびB-boxを有し、C末側には13個のC2H2タイプのZNFが並んでいた。正常肺および肺癌組織の剖検検体にて発現を検討したところ、正常肺に比べ肺癌組織にて高発現が認められ、また肺癌組織においてPlatinum drug投与群が非投与群に比べ高発現が認められた。以上の結果から転写因子遺伝子HKR1は肺癌において特にPlatinum drugと関連して遺伝子の発現調節を行うmediatorとして機能することが示唆された。