ABSTRACT 1321(P5-1)
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one-hybrid法によるショウジョウバエPCNA遺伝子転写制御配列結合因子のcDNAクローニング:林裕子1,西本義男1,田口修2,松影昭夫1,山口政光1 (愛知がんセ・研・1生物,2二病)

Isolation of cDNA clones of factors that bind to transcriptional regulatory elements of Drosophila PCNA gene by one-hybrid screen : Yuko HAYASHI1, Yosio NISHIMOTO1, Osamu TAGUCHI2, Akio MATSUKAGE1, Masamitsu YAMAGUCHI1 (1Lab. Cell Biol., 2Exp. Pathol. Aichi Cancer Center Res. Inst.)

ショウジョウバエPCNA遺伝子プロモーターは、少なくとも4つの転写制御エレメント、URE、 DRE、CFDD結合サイト及びE2F結合サイトから構成されている。成虫卵巣での母性発現に必須であるのは、転写開始点からE2F結合サイトまでの領域である。胚期での発現にはDREまでが必須となり、幼虫期での発現にはさらに上流に存在するUREまでが必須になる。DREとE2F結合サイトの間に位置するCFDD結合サイトも、幼虫期での発現に重要である。これら4つのエレメントにはUREF、DREF、CFDDそしてE2F・DP複合体がそれぞれ結合するが、UREFとCFDDの実体は不明である。今回、酵母のone-hybrid法を用いてPCNA遺伝子の転写制御エレメントに結合するタンパク質因子のcDNAクローニングを試みた。UREを標的に用いて得られた7個のクローンは全て同じcDNAであった。部分塩基配列を決定後、データベースを探索することにより、これはgrainyhead (grh)と呼ばれる転写因子のcDNAであることがわかった。またDREを標的に用いると4個のクローンが得られそのうちの3個はDREFcDNAそのものであったが、残りの1つはcutと呼ばれる転写因子のcDNAであることがわかった。一方CFDD結合サイトを標的に用いると独立した6個のクローンが得られ、そのうちの3つは未知のcDNAであった。現在これらのcDNAを用いて詳細な解析を進めている。