ABSTRACT 1322(P5-1)
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ショウジョウバエDNA複製関連遺伝子の転写調節におけるDREFとE2Fの相互作用:
広瀬富美子1, 高橋康彦1, 2, 松影昭夫1, 山口政光11 愛知がんセ研・生物、2国立長寿研・老化)

Interaction between DREF and E2F in regulation of Drosophila DNA replication related genes : Fumiko HIROSE1, Yasuhiko TAKAHASHI1, 2, Akio MATSUKAGE1 and Masamitsu YAMAGUCHI1(1Lab. Cell Biol., Aichi Cancer Ctr. Res. Inst., 2Dept. Basic Gerontol., Natl. Inst. Long. Sci.)

我々は、複製・増殖関連遺伝子の転写制御において、ショウジョウバエE2F(dE2F)とDREF(DRE-binding factor)が共に重要な役割を果していることを明らかにしてきたが、この二つの転写因子の転写調節における相関関係は明らかでなかった。今回、増殖シグナルトランスダクションの過程において、DREFはdE2Fの上位で働いていることを示唆する結果を得たので報告する。複眼原基で特異的に発現するglass遺伝子のプロモーターの制御によりDREFを過剰発現させると、異所的なDNA複製とapoptosisが誘導される。また、正常な分化も阻害され、乱れた構造の複眼 (rough eye phenotype)となる。このrough eye phenotypeは、dE2F遺伝子数を半減させることにより抑制された。また、この遺伝子導入ハエのDREFが異所的に発現している細胞では、dE2F遺伝子のプロモーター活性が上昇していた。dE2F遺伝子の転写開始点上流-514から-540bpに、DRE 8bpのうち、6bpが一致した配列が3個連続して存在し (siteI:-540 to -533, site II: -532 to -525, site III: -521 to -514 )、ここに、DREFが結合することを見いだした。さらにルシフェレースアッセイ法により3つのDRE-related element領域を含む250bpが高いプロモーター活性のために必要であることがわかった。これらの結果は、DREFがdE2F遺伝子の発現調節に直接関与していることを示唆する。