ABSTRACT 1407(P5-7)
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頭頚部扁平上皮癌におけるCyclinD1遺伝子発現と臨床病理因子との比較検討 : 門田伸也、西川邦男、米田孝明、冨永進(四国がんセ・耳)

Comparison of clinicopathological factors and overexpression or gene amplification of cyclinD1 in head and neck squamous cell carcinomas. : Nobuya MONDEN, Kunio NISHIKAWA, Takaaki YONEDA, Susumu TOMINAGA, (Dept. of Oto., Natl. Shikoku Cancer Ctr. Hosp.)

(目的) ヒト染色体11q13領域は頭頸部扁平上皮を含む各種悪性腫瘍において染色体転座および遺伝子増幅が指摘されている領域であり、それにより活性化の見られるCyclin D1遺伝子は11q13領域における癌遺伝子の一つとして注目されている。 われわれはCyclin D1の遺伝子増幅および発現上昇について評価し、臨床病理データとの関連を検討した。(方法)対象は外科的に切除された頭頚部扁平上皮癌の新鮮凍結標本を用いた。24例についてSouthern法により遺伝子増幅の有無を、23症例についてCompetitive RT-PCR変法を用い、mRNA発現亢進の有無を検討した。 (結果)2倍〜10倍の遺伝子増幅が24例中4例(16.7%)に認めらた。 Cyclin D1遺伝子増幅群において臨床ステージ、リンパ節転移、予後との関連を認めた。また、23例中10例(43.5%)の腫瘍組織において正常組織より2〜50倍のCyclinD1 mRNAの発現上昇を認めたが、患者の臨床病理データとは統計上有意な関連は認められなかった。(考察)Cyclin D1遺伝子が頭頚部扁平上皮癌においてオンコジーンとして働いている可能性が示唆された。ただしCyclinD1mRNAの発現上昇は腫瘍進展過程よりも腫瘍化早期の段階から高頻度に起こると推測された。