ABSTRACT 1412(P5-7)
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副甲状腺にcyclin D1を過剰発現させたトランスジェニックマウスにおける副甲状腺腺腫: 吉本勝彦1, 3, 細川好孝2, 板倉光夫1, Andrew ARNOLD3 (1徳島大・医・臨床分子栄養, 2愛知がんセ研, 3Univ. of Connecticut, Sch. of Med., Ctr. for Mol. Med.)

Parathyroid adenomas in transgenic mice with parathyroid-targeted overexpression of cyclin D1: Katsuhiko YOSHIMOTO1, 3, Yoshitaka HOSOKAWA2, Mitsuo ITAKURA1, Andrew ARNOLD3 (1Otsuka Dept. of Clin. Mol. Nutr., Sch. of Med., Unv. of Tokushima, 2Aichi Cancer Ctr. Res. Inst., 3Univ. of Connecticut, Sch. of Med., Ctr. for Mol. Med.)

【目的】副甲状腺ホルモン(PTH)遺伝子(11p15) 5' 調節領域下にcyclin D1(PRAD1)遺伝子(11q13)が位置する遺伝子再編成が一部の副甲状腺腺腫に認められる。これらの腺腫ではcyclin D1遺伝子の過剰発現が認められる。しかし過剰のcyclin D1蛋白が副甲状腺細胞増殖能を有するか、また副甲状腺機能亢進症を生じうるかについて、これまで直接的には証明されていなかった。
【方法】ヒトPTH遺伝子5' 調節領域下にヒトcyclin D1遺伝子を接続したtransgeneを有するトランスジェニックマウス(Tg)を作成した。
【結果】transgeneの副甲状腺組織における発現はRT-PCR、in situ hybridizationにより確認された。生後1年で副甲状腺組織は過形成を示し、生後1.5年を経過すると約1/4のTgに腺腫が認められた。各Tgにおける複数の副甲状腺組織の各々のサイズは不均一性を示した。骨再吸収増加を示す所見以外には、他の組織では明らかな異常は認められなかった。血清カルシウムおよびPTHは生後1.5年で少なくとも3種のlineでコントロールに比べ有意な増加を示した。
【結論】PTH-cyclin D1 Tgは同一lineにおいて再現性よく副甲状腺機能亢進症をきたした。cyclin D1遺伝子の過剰発現は副甲状腺細胞の腺腫様の増殖をきたす。