ABSTRACT 1417(P5-7)
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細胞増殖抑制Tobファミリー遺伝子の産物とその会合分子Caf1の機能解析:池松 直子、吉田 富、都竹 順子、大杉 美穂、山本 雅(東大・医科研・制癌)

Characterization of Tob-family of anti-proliferative proteins and their associated-molecule Caf1 : Naoko IKEMATSU, Yutaka YOSHIDA, Junko KAWAMURA-TSUZUKU, Miho OHSUGI, and Tadashi YAMAMOTO (Dept. of Oncol., Inst. Med. Sci., Univ. Tokyo)

我々は、新規の細胞増殖抑制遺伝子tob及びそのファミリー遺伝子について解析を行なっている。
今回は、Tobファミリー蛋白質Tob4の解析結果について報告する。まずマイクロインジェクション法によりTob4を過剰発現させることにより細胞周期の進行がG1期で阻害されることを示した。ついで、yeast two-hybrid systemによりその会合分子Caf1(CCR4 associated-factor 1) を同定した。Caf1は、yeastの転写因子CCR4と会合し、その活性を調節する蛋白質であり、一方では細胞増殖抑制活性を有することが示唆されている。またTobファミリー蛋白質のうち少なくとも三つの分子(Btg1, Tob, Tob4)と会合することからもTobファミリー蛋白質の機能との関連が強く示唆された。さらに、Tobは細胞周期依存的に発現が誘導されることからcyclin dependent kinasesとの関連について検討し、Caf1とCDKsとの会合を認めた。これらの結果から、Tobファミリー蛋白質が、Caf1を介してCDKsの活性に影響を及ぼし、細胞周期を調節する可能性が考えられた。